
「森」と「青木まりこ現象」
子供の頃、大人と一緒に山に行くことがあった。鬱蒼とした森の中に入ると必ずうんこがしたくなった。それを言うと、大人は困った。山にトイレはない。当然、そこでする以外になかった。たぶん、小学校に入る前までのことだったと思う。 小学校以降は、本屋...
闇のグラデーション
フェアリーテイル・ノスタルジア 森のことを書いていたら、グリム童話に出てくる森のノスタルジックな魔力で頭が占められてしまった。西洋人でもないのに郷愁を感じるのもおかしな話だが、こういうのを「フェアリーテイル・ノスタルジア」と言うらしい。 ...
森はどこにある?
山ではない森 子供の頃、「森」に行ってみたいと思っていた。アニメや童話の中にしょっちゅう出てくる「森」だ。 現実世界のどこかにあるに違いない。 「森はどこにあるの?」と、父に訊くと、山を指した。確かに、木がたくさん生えているからそれも森だろ...
AIは怪談を作ることができるか
ネット上の心霊(ホラー)コンテンツは盛んな状態が続いており、すでにブームの域を超えていると言ってもよいだろう。最初に勢いがあったのが心霊スポットを巡る「心霊系ユーチューバー」であった。その後、数年のラグを挟んで最近は「怪談」コンテンツが...
タワーマンションと怪談
「タワマンはほぼ全部事故物件だ」という噂がまことしやかに語られることがある。建設中の高所作業で転落死した作業員が、どのタワマンにも一人はいるはずだ、というのだ(もっとも、建設中の事故は不動産取引における「告知義務」の対象外となるため、仮...
ヤシオリ作戦と第5形態の考察
シン・ゴジラとヤシオリ作戦(八塩折作戦) 『シン・ゴジラ』の終盤、ゴジラの活動を凍結させる作戦は「ヤシオリ作戦」と命名された。この名は、日本神話でスサノヲがヤマタノオロチを討伐する際に使った「八塩折之酒(やしおりのさけ)」に由来している。...
「およげ!たいやきくん」大ヒットに隠された日本文化の深層を考察する(超長文)
『およげ!たいやきくん』はなぜ450万枚も売れたのか?歌詞に埋め込まれた悲しくも安らかな諦めと、ヒットの裏にある社会状況を徹底的に分析する。
「およげ!たいやきくん」とは何だったのか【エッセイ】
🔴メインの記事はこちら どこへ行っても「たいやきくん」 子供の頃、世の中がこの曲一色に染まった時期があった。 テレビ、店先、通学路、そして学校。どこへ行ってもこの曲が流れていた。 私はこの曲が嫌いだった。せっかく逃げ出したのに、最後は食べら...
いつまで経っても記録はホネである
カウンセリングの後に記録は必ずつける。 学生の頃はこの記録にものすごい時間を費やしていた。1時間弱のカウンセリングの内容を5~6時間かけて書いていたこともある。話された内容を細大漏らさず書こうとしたし、相手の表情、自分自身の感じたこと、考え...
メモとるカウンセラー・とらないカウンセラー
カウンセリング中、メモをとるカウンセラーと、とらないカウンセラーがいる。 私はメモをとらないタイプである。相談者にとってはこのあたり好みがあるようで、眼の前でメモを取られると、向き合ってくれていないと感じる人もいれば、メモを取られることで...
女性教祖で考える日本の母性
2年ほど前、車で西日本を旅行した際に天理市に寄った。天理教の大きな建物群の見える道の信号で車を止めた時、黒い法被(はっぴ)を着た一群が近くの歩道を歩いていた。天理市には何度も来たことがあり、おなじみの光景であった。しかし、今回驚いたことに...
意識の意味(ユング自伝の誤訳)
ユング自伝にアフリカを旅したことが書かれています。そこにはたくさんの見たことのない動物の群れを眼の前にして「自分がこれを作り出したのだ」と思うシーンがあります。私は学生の頃に読んで非常に心を動かされた記憶があるのですが、どうもユングの言いたいことをちゃんと理解できたという自信が持てませんでした。
思考停止を生むもの
Aさんは小学生のころに、何年間か教育相談所のプレイセラピーに通っていたという。 しかしAさんは、親に連れられて通っていたけど、本当は行きたくなかった。
暗渠の上の道
暗渠とは人工的に作られた地下水路である。 都会の暗渠の多くは地上からはわからないような状態になっているようだが、時々、上のイラストのような場所がある。コンクリートの蓋で覆われて、この下に水路があることがはっきり分かる。 歩道と水路が完全に...
神話としてのエヴァンゲリオン
随分と時代遅れなことをいうようであるが、1995年にTVアニメとして放映された「新世紀エヴァンゲリオン」は、これまでの戦闘ロボットアニメの隠された欲望にメスを入れたのだと思う。
メカニカルキーボードは心地よい
「メカニカルキーボード」とは、キーの一つ一つにスプリングが内蔵されたキーボードである。昨今の多くのノートPCのキーボードとは異なった構造で、文筆業・編集者など日常的に文章を書く人、およびパソコンでアクションゲームを本格的にやる人の利用率が...
1983年のパソコン
40年以上前から「パソコン」は存在していた。 当時、富士通のFM-7というパソコンをテレビCMでよく見かけた。起用されていたのはぴっちりセンター分けの30代のタモリであった。 あの頃のパソコンとはいったい何だったんだろう、と、この分野が進化するたび...
他者性を「提供する」とは
先日、とある学会のセミナーに参加したときのことである。 セミナーの講師が「良質な他者性を提供する」という言葉を使って、大学生のカウンセリングについて語っていた。
ジャズの聴き方がわかった
私は音楽に関しては全くのド素人である。そのため、文章を書くにしても音楽用語が全くわからない。ジャズについて書いてみたいが、いつにもましてお粗末な記事になりそうである。 最近になってジャズの聴き方がわかった(と思う)。 ジャズは、最初にテー...
AIとカウンセリング
私が生成AI(ChatGPTなど)を利用し始めてからすでに2年半が経つ(2025年9月時点)。一般的にはかなり長い部類に入るのではないだろうかと思っている。 最近ではクライエントさんにもChatGPTにも相談しているという人がちらほらチラホラおられる。私に気...
釣りとカウンセリング
かつて釣りに夢中になっていた。 夢中になったのは海でルアーを投げて釣る釣りである。単純に魚を捕るためには餌で釣るほうが遥かに良いのだが、私はルアーで釣りたかった。私は「ルアーという人工物」と「魚というナマの生命」がコンタクトするイメージに...
【ネタバレ】タコピー最終回で考えるカウンセリング
人を助けたいと思った時、私達は自分の得意分野を活かして相手に働きかけようとします。だからタコピーもハッピー道具を使ってシズカちゃんを助けようとします。しかし本当に重い苦しみを抱えた人は、そのような他からの働きかけによって助けられるとは限らないのです。
「風の歌を聴け」考察⑦・三番目に寝た女の子はなぜ自殺したのか
彼女の自殺を「僕」との関係のせいかどうかを判断するためには、「僕」側の要因だけで考えるのは片手落ちです。だから「嘘つき!」で終わる会話だけではなく、彼女について語られたそれ以外の場所も吟味する必要があるはずです。
「風の歌を聴け」考察⑥・鼠はなぜ「嘘だと言ってくれないか」と言ったか
初めて二人の意見がはっきりと対立するシーンがあります。鼠が「嘘だと言ってくれないか」と言うシーンです。
「風の歌を聴け」考察⑤・縮まらない距離
噛み合わない会話はこの小説を特徴づけるものの一つです。鼠とのやり取りもそうですし、「嘘つき!」で終わる「仏文科の女の子」とのやり取りもそうです。
「風の歌を聴け」考察④・「僕」が観た夢の意味
「風の歌を聴け」には27章に「僕」の観た夢が記述されています。
「風の歌を聴け」考察③・『小指のない女の子の元カレは鼠だった』説について
ちょっと衝撃的なので、前回の記事には書かなかったのですが、小指のない女の子の元カレは鼠だったという説があります。
「風の歌を聴け」考察②・なぜ「僕」は小指のない女の子の部屋に泊まったのか
「僕」と「小指のない女の子」との関係は、彼女がジェイズ・バーの洗面所に倒れていたのを「僕」が介抱するところから始まります。
「風の歌を聴け」考察①・「僕」がついた唯一の嘘とは
34章には「仏文科の女の子」に「僕」が「嘘つき!」と言われるシーンがあります。
村上春樹「風の歌を聴け」考察
村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」は、一読しただけでは、なんのストーリーも読み取れないような、まとまりのない小説です。実際、この小説のあらすじを教えて欲しいと言われて、すぐにそれに応えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。
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