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AIカウンセリングと「心」の不在

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AIカウンセリングの記事

AI同士でカウンセリングをするという記事を、これまで二つ書いた。カウンセラー役は、最初がGemini、次がClaude Sonnet。そして今は、Claude Fableをカウンセラーにした三つ目の記事を書いている。このシリーズを書く前、こんなのは楽な作業だろうと思っていた。AIとAIのやりとりを貼り付けて、それについて感想や解説を書けばいい。

ところが、やってみるとそう簡単ではなかった。AIの応答は人間と似ているが、確実に違う。そして、何が人間のカウンセリングと違うのかを考えていくと、逆に「では、人間のカウンセリングとは何なのか」というところまで戻らざるを得なくなる。

「人間のカウンセリングではないもの」を考察することによって、人間のカウンセリングについて考えることになる。この切り口はかなり面白いのだが、話はどんどん広がっていく。仕事の合間にちょこちょこと書くブログの記事としては、あまりに重く、大きなテーマになってしまう。

AIの応答を分析する意味とは

ならば、実際のAI同士の応答に的を絞ればいいじゃないかとも考える。しかし、今度は現在のAIの応答を細かく分析することにどこまで意味があるのかという問題がある。AIの進歩は「日進月歩」という言葉では生ぬるいほど速い。今ここで「AIカウンセラーにはこういう特徴がある」と書いたところで、その特徴が半年後にはなくなっている可能性もある。

もう一つ引っかかっていることがある。それは、AIの言葉の向こうに、自分と同型の「心」を感じることができないということだ。

人間のカウンセラーの言葉を考えるとき、私は、その表面に現れた言葉から、その向こうにある心について考える。なぜこの人はこんな言葉を言ったのか。このとき何を感じていたのか。相談者の言葉を受けて、この人の中で何が起き、それがこの応答につながったのか。そこには、自分と同じように感じたり、考えたり、揺れたりする、自分と同型の「心」があることを当然のように前提にしている。

ところがAIの言葉を分析するときには、その作業ができない。少なくとも、人間について考えるときと同じ意味ではできない。どれほど興味深い言葉が返ってきても、その言葉を手がかりに、心の中で何が起きているのかを読み解いているわけではない。このことが、思った以上に私のモチベーションを下げる

「心」という共通のもの

そしてこれは、相談する側にとってもかなり重要な問題なのではないかと思う。現在、AIに悩みを相談することは相当に一般化しているのだろうが、それによって、すでにAIに相談することの限界が見え始めている可能性だって大いにある。

つまり、相談する相手にも自分と同型の「心」があると思えること。そして、自分が話したことによって、その相手の心に何らかの影響を与えたと思えること。これは、相談というものにとってかなり重要なのではないだろうか。相談とは、単に自分の話を理解してもらうだけではなく、自分の言葉が相手の中にも何かを起こしていると感じられることを含んでいるのかもしれない。

相手が人間である限り、「相手にも自分と同型の心がある」ということは、あまりにも当たり前の前提だった。その人の言葉の向こうには、その人自身の心がある。それを疑う必要がなかった。

だから、これまでこの前提は、そこまで取り沙汰されてこなかった。しかし、AIが人間そっくりの言葉を話すようになったことで、この見えない前提にあらためてフォーカスが当たる。

再び戻ってきてしまった

ということで、「カウンセリングにおいて、相手に心があるということにはどんな意味があるのか」というところに来てしまった。つまり、最初に「話が広がりすぎる」として避けようとした「人間のカウンセリングとは何なのか」という問いに、また戻ってきてしまったのである。

そんなことを考え始めてしまったので、記事がなかなか終わらない。そして、最近このブログの更新頻度が落ちている理由の一つも、この書きかけの記事に引っかかったままになっているせいである。

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