
ある日、猫はねずみと知り合い、「君のことが大好きでたまらない」と熱烈に語って、一緒に暮らすことになりました。 「冬の蓄えをしておかないと、飢え死にしてしまうわ」と猫が言い、二匹はラードの壺を一つ買いました。でも、どこに隠すかが問題です。話し合った末、教会の祭壇の下なら誰も盗まないだろうということで、そこに隠すことにしました。
ところが、しばらくすると猫はラードが舐めたくてたまらなくなりました。そこで猫はねずみに言いました。 「いとこに子供が産まれたから、名付け親を頼まれたの。今日は出かけさせてちょうだい」 ねずみは快く送り出しましたが、猫は教会へまっすぐ行き、ラードの壺の上の部分を舐めてしまいました。帰ってきた猫にねずみが赤ちゃんの名前を聞くと、猫は「皮なめ」だと答えました。
しばらくして、猫はまたラードが食べたくなり、再び名付け親を頼まれたと嘘をついて出かけ、今度は半分まで食べてしまいました。帰ってきてねずみに名前を聞かれると、「半分食い」と答えました。
さらにしばらくして、猫はまた教会へ行き、とうとう壺を空っぽにしてしまいました。帰ってきた猫は、今度の赤ちゃんの名前は「すっかり空っぽ」だと答えました。
やがて冬になり、家の中に食べるものがなくなると、ねずみは教会の壺を開けに行こうと提案しました。しかし、教会に着いてみると壺は空っぽです。ねずみはついに事の真相に気づきました。
「ああ、そういうことだったのね! 名付け親というのは嘘で、『皮なめ』、『半分食い』、そして最後は…」 「それ以上言ったら、お前を食べてしまうぞ!」と猫が凄みました。 しかしねずみは言葉を止められず、「すっかり空っぽ!」と言ってしまいました。 次の瞬間、猫はねずみに飛びかかり、一飲みにしてしまいました。
世の中とは、こういうものなのです。