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トルーデさん

むかしあるところに、たいそう強情で、親の言うことをまったく聞かない女の子がいました。親がいくら言い聞かせても、自分の思い通りにしか動きません。

ある日、女の子は両親に言いました。 「私、トルーデさんの家に行ってみたいの。とてもすごい所だって聞いたわ。家の中には不思議なものがたくさんあるっていうから、この目で見てみたいの」

両親は厳しく止めました。 「あそこは恐ろしいところだ。悪い人間が住んでいて、とんでもないことをしているんだ。もしあそこへ行くなら、お前はもう私たちの子ではないよ」

しかし、女の子は親の言葉を無視して、トルーデさんの家へ行ってしまいました。 彼女が着くと、トルーデのおばさんが尋ねました。 「どうしてそんなに真っ青な顔をしているんだい?」

「だって、すごく怖いものを見たんですもの」と女の子は震えながら答えました。 「何を見たんだい?」 「おばさんの家の階段で、黒い男の人を見ました」 「それは炭焼きだよ」 「それから、緑の男の人も見ました」 「それは狩人さ」 「そのあと、血のように真っ赤な男の人を見たんです」 「それは肉屋だよ」 「私、怖くなって窓からおばさんの家の中を覗いたの。そうしたら、おばさんじゃなくて、頭が火で燃えている悪魔が見えたわ」

すると、トルーデさんは言いました。 「おお、お前は魔女の本当の姿を見たんだね。私はお前が来るのをずっと待っていたんだ。お前には私を明るく照らしてもらおう」

そう言うと、トルーデさんは女の子をただの木の薪に変えてしまい、燃え盛る暖炉の火の中に放り込みました。薪が勢いよく燃え上がると、おばさんはそのそばに座ってポカポカと暖をとりながら言いました。 「ああ、明るくていい気持ちだ」

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